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獣医学部と医学部って似ているけどどれくらい違うの?

獣医学と医学の違い:どちらを選ぶべきか?

獣医学の基礎と目的

医学部と同じように医療に携わると多くの人が思っている獣医学部ですが、もともと獣医学は家畜を利用管理することを目指した学問であり、農学の分野に含まれます。多くの大学で農学部の中に獣医学科が設置されていることからも、その背景が分かります。獣医学部では「動物の医療」を学ぶ一方で、「畜産利益の維持増進法」を学ぶことが根本にあります。実際、学部の授業では「犬猫」などのペット以上に「牛馬豚鶏」の家畜について学ぶ時間が多く設けられています。生命としての動物だけでなく、食肉の衛生管理など生きた動物に関わらない分野も重要です。そのため、「医療」だけに興味がある人には退屈に感じることもあります。医学部においては食肉について学ぶことはほぼありませんが獣医学部は農学的な畜産要素も多く、医学部を諦めて獣医学部を志望する場合は、この点を理解してから決めるべきです。

医学部と獣医学部の主な違い

医学部と獣医学部は共通点もありますが、将来のキャリアや入試難易度、社会人になった後の年収など多くの面で異なります。

学習内容やカリキュラム

医学部では、内科(循環器、消化器、呼吸器、腎臓、血液、内分泌、神経)や外科(循環器、消化器、呼吸器、内分泌)など、さまざまな科目について学びます。また、最先端の設備が整った大学が多く、臨床教育が充実しています。

獣医学部では、獣医学、畜産学、食品科学、衛生管理などを学びます。獣医学部のカリキュラムも医学部と似た部分はありますが、臨床については動物を対象とし、食品管理や食料供給を目的とした家畜の管理法なども学びます。

将来のキャリア

医学部の卒業生の多くは、病院で診療する勤務医や開業医、研究施設で医療に関する研究を行う研究医、特定の企業に所属する産業医などさまざまな進路があります。医師は人に対して診療や治療を行い、医療行為において裁量権が大きいのが特徴です。

獣医学部の卒業生は、動物病院で臨床医として働くほか、公務員として食品安全管理や民間企業での衛生管理業務に就くことが多いです。臨床医とならない場合は、食品の安全管理や安定的な食料供給の使命を負うことが大きな特徴です。

年収

医学部
卒業生の平均年収は約1,200〜1,800万円程度と非常に高いです。人の命を扱うため非常に重い責任を負っていることが年収の高さの理由です。

獣医学部
卒業生の平均年収は、勤務獣医師の場合で500〜600万円程度です。医師に比べると半分以下であり、仕事内容もハードですが、社会的な需要も高く重要な職業です。しかし医学部のような超高額な年収は期待できません。大学の学費も高額ではありますが余裕で回収できる医学部とはやや差があるでしょう。

獣医学部の難易度

獣医学部の難易度が高い理由は、獣医学部がある大学の数が少なく倍率が高いことが挙げられます。日本には獣医学部を持つ大学が17校しかなく、医学部の80校以上に比べると非常に少ないです。そのため、倍率が高くなり、難易度が上がります。また、併願できる大学が少ないため、難易度が高くなる要因となっています。

進学を考える際の注意点

獣医師になりたいという強い志がある場合は、獣医学部を目指すことに何か壁を感じても乗り越えられるでしょう。しかし、漠然とした夢や理想だけで獣医学部を目指すのは難易度が高いため、動物看護師やトリマーなど他の動物に関する仕事も視野に入れることをおすすめします。

まとめ

医学部と獣医学部はそれぞれ異なる特徴を持っており、将来のキャリアや年収、学習内容などで違いがあります。進学を迷っている方は、きちんと両学部の違いを把握したうえで、自分の志向や目標に合わせて進路を決めることが大切です。安易な考えで志望学部を決めることは避け、十分な情報を収集し、慎重に検討しましょう。


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