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2024年度の私立大学・短期大学等の入学志願動向
まず、大学の状況を見てみると、志願者数、受験者数、合格者数、入学者数は前年度に比べて減少しているものの、入学定員自体は増加しています。しかし、入学者数は前年度比で5,869人減少し、49万4,730人に留まりました。入学定員充足率は98.19%と前年度から1.40ポイント減少しており、特に定員割れが目立つ大学が増加傾向にあります。2024年度は、前年から34校増加し、354校が定員割れを起こしていることが報告され、大学全体の59.2%が入学定員に満たない状況となっています。これは過去最多の数字です。
規模別・地域別の動向
次に、大学の規模別で見ると、小規模校(定員100人未満や100人以上200人未満)の充足率は特に低く、74.93%や83.37%と定員割れが拡大しています。一方で、定員1000人以上の中規模から大規模校では充足率が100%を超えており、特に3000人以上の大学では103.71%と高い数値を示しています。このように、大学の規模によって、定員割れの傾向が顕著に異なっていることが明らかです。
地域別では、関東(埼玉、千葉、東京、神奈川を除く)や大阪、福岡といった主要都市圏で入学定員充足率が100%を超えている一方、地方では90%を下回る地域も多く、特に地方の小規模大学は厳しい状況にあります。例として、千葉県の銚子市にある千葉科学大学が運営困難に陥り、公立大学化が検討されているというニュースが最近話題になりました。地方自治体が地域活性化のために多額の資金を投入しても、若者の定着が難しい状況が浮き彫りになっています。
学部系統別の動向
学部別の分析では、医学部や農学系、社会科学系、芸術系などの学部は定員充足率が100%を超えており、特に医学部の志願倍率は26.81倍という非常に高い数値を示しています。これは他の学部と比べても飛び抜けて厳しい状況です。一方、全体的には多くの学部で充足率が下降しており、私立大学全体の厳しい現状が浮かび上がっています。
大学群別の状況
さらに、MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)と呼ばれる有名私大群や、関東学院大学や神奈川大学といった地域拠点校は、合格者数が増加傾向にあります。これらの大学は志願者数が多く、国内でも屈指の人気を誇るものの、ここ数年の間に合格倍率が若干緩和されている傾向が見られます。また、特にミッション系大学(上智、立教、青山学院など)の合格者数も増加しており、多くの受験生にとって選択肢が広がっています。
中小規模大学の受験チャンス
一方で、中小規模校の一般選抜では、今後さらに合格チャンスが広がる可能性が高いです。大規模校が合格者数を増やしたことで、3月まで残っている受験生が減少し、中小規模校への受験が相対的に有利になることが予想されます。特に、指定校推薦や総合型選抜で落ちた学生にとっては、一般選抜の倍率が低い中小規模校への出願が良い選択肢となるでしょう。
このように、私立大学の入学志願動向は、大学規模や地域、学部系統によって大きな差があり、受験生や保護者が慎重に大学選びを行う必要があります。特に小規模地方大学の厳しい状況が浮き彫りになっていますが、大規模校や人気私大の競争率が緩和される中で、中小規模校への合格チャンスが広がる可能性もあります。
(akamon lab) 2024年9月14日 17:19