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大学受験で生徒に「理解したフリ」をしないためのアプローチ

「理解したフリ」をしないためのアプローチ

はじめに

「参考書やテキストを一通り読んで、理解したと思っていたのに、いざ問題に挑むと解けない。」
「重要なポイントを暗記したはずなのに、試験の時に思い出せない。」
こんな経験は多くの学生に共通しているのではないでしょうか。このような状況の裏には、“理解したフリ”をしてしまう心理が潜んでいるかもしれません。では、この“フリ”を防ぐためにはどのようなアプローチが必要なのでしょうか? 自分自身が置かれている現実に目を向け、目指す結果と自分の現在地を明確にすることが重要です。

目標設定の重要性

試験合格を目指す場合、まずは「過去問」に挑戦することが有効です。過去の試験問題を解くことで、合格するために必要な知識やスキルが明確になります。「試験当日に合格点を超える答案を提出する」というのが、目指すべき具体的な結果です。ここで重要なのは、「理解したつもり」でいるだけでは不十分で、実際に結果を出すための行動が必要であることです。

大人でもわかったふりをする

大人も職場で「わかったふり」をすることが多いものです。上司の説明や顧客の要求に対して、「分かりました」と返答しながら、実際には理解していないことが少なくありません。これには、仕事をスムーズに進めるための配慮としての側面がありますが、その結果、誤解や失敗を引き起こすこともあるのです。このような態度が問題視される理由は、以下のように考えられます。むしろ大きくなればなるほど無知は恥という意識が芽生えるためどんどん嘘で回りを塗り固める人間になってしまいます。

「わかったふり」をする理由

  1. 恥ずかしさとプライド
    生徒たちは、自分が理解できていないことを認めるのが恥ずかしいと感じることが多いです。「分からない」と言うことで、周囲の反応を恐れたり、プライドが邪魔をして素直に質問できなくなるのです。

  2. 周囲の評価を気にする
    同級生や先生からどう見られるかを気にするため、「分からない」と言って質問することで評価が下がるのではないかと不安を抱えています。

  3. 自己解決を試みる
    一部の生徒は「後で自分で調べて理解しよう」と思い、先生には理解したフリをしてしまいます。しかし、このアプローチは理解の遅れや誤った知識の定着を招く危険性があります。

予備校で「わかったふり」を防ぐためのアプローチ

1. 質問の仕方を工夫する

単純な「わかりましたか?」という質問は、生徒が「はい」と答える原因になりがちです。イエスかノーしかないクローズドクエスチョンはなるべくしないことを心掛けています。そのため、「難しい?」や「理解できていない部分はある?」と尋ねることで、生徒が自分の理解度を見つめ直し、正直に答えやすくすることができます。

2. 具体的な質問を促す

「どの部分が難しかった?」と具体的に尋ねることで、生徒が理解できていない箇所を明確にし、効果的な解説が行えます。生徒が自分の言葉で説明させることも、理解度を確認するのに役立ちます。

3. 安心できる環境を作る

生徒が「分からない」と言える環境を整えることが大切です。教師が優しく受け入れることで、生徒が質問することを恥ずかしく感じないようにします。「分からないことを言っても大丈夫」とのメッセージを強調することで、安心感を与えることができます。

「わかったふり」の悪影響

受験勉強において「わかったふり」をしてしまうことは、実際に理解が伴わないため、深刻な問題を引き起こします。学校の授業では通用するかもしれませんが、受験ではそのような態度は通用しません。苦手科目から逃げることで、合格の可能性が低下するのです。勉強は、自分の理解できていない部分を明らかにし、その穴を埋めていく作業の繰り返しです。難しい問題に挑戦すればするほど、自分に不足している部分が明らかになります。

受け入れる勇気が成長を促す

「わかったふり」をすることは、「できない自分を認められない」ことと同義です。この状態では学びが進まず、成長の機会を逃してしまいます。逆に「わからないことを認める」ことは、成長の証でもあります。むしろ、わからないことがある時点で、あなたは一歩先を行っているのです。成長を阻むのは「わかったふり」を続けることであり、苦手なことから目を背けることです。

おわりに

「理解したフリ」をせず、自分の理解度を正直に見つめ直すことは、学びにおいて非常に重要です。受験勉強だけでなく、日常生活においても、分からないことを素直に受け入れる姿勢が成長を促します。今後は、自分の理解度を見つめ直し、苦手な部分に真摯に向き合うことで、より効果的な学びを実現していきましょう。


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