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共通テスト「物理」の特徴と攻略法
共通テスト「物理」の特徴と攻略法
共通テストの物理は、基礎的な知識を問う問題が広範囲にわたって出題される試験形式が特徴です。そのため、苦手分野を作らず、全体をまんべんなく理解することが高得点の鍵となります。難易度は旧センター試験と大差はありませんが、問題の形式や出題内容にいくつか独自の傾向が見られます。この記事では、その特徴と効果的な対策について詳しく解説します。
1. 共通テスト「物理」の特徴
1-1. 幅広い分野からの出題
共通テストでは、力学、電磁気学、熱力学、波動、原子の5分野からバランス良く出題されます。ただし、問題の数や比重には分野ごとにばらつきがあります。特に力学と電磁気学は毎年大問が割り当てられることが多く、比重が大きい分野です。一方で、熱力学や波動、原子は小問1つ程度に留まることもありますが、いずれの分野も基礎知識はしっかり押さえておく必要があります。
1-2. 図やグラフを用いた出題
共通テストでは、グラフや図を駆使した問題が多い点が大きな特徴です。例えば、縦軸と横軸の設定や、グラフの傾き・面積の物理的意味を考えさせる問題が頻出します。これにより、単なる公式の適用ではなく、物理現象を深く理解しているかどうかが試されます。2023年度の大問では、コンデンサーの放電過程を題材にした問題が出題され、グラフから電気容量や電流の変化を読み取らせる問題が見られました。
1-3. モデル化(図解)をしっかりすること
試験問題にはイラストや図解が多く含まれていますが、これらは単に視覚的な手がかりとして役立つ一方で、適切に物理的モデルに置き換える力も求められます。例えば、「力学」では物体を質点や剛体として考え、「熱力学」では理想気体として問題を解釈する必要があることがあります。
2. 攻略法と学習のポイント
2-1. 分野ごとの対策
物理は各分野の特性に応じたアプローチが必要です。
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力学
力のつり合いや運動の状況を整理するため、図に矢印や軌跡を書き込みながら考える癖をつけましょう。運動方程式の立式も、基本の状況を具体化して取り組むと理解が深まります。物理はしっかり図を書くことから始まります。 -
電磁気学
電場・磁場や回路を扱う問題では、公式の暗記に加えて、問題の図を見ながら電位差や電流の流れを可視化することが重要です。問題演習を通じて、情報整理の精度を上げましょう。こちらも図をしっかりと書くこと。 -
熱力学
グラフ問題が多く、特にP-VグラフやT-Sグラフの読み取りが求められます。状態変化を正確に把握し、熱力学第一法則を正しく適用できるように訓練してください。 -
波動
音や光の波動現象を理解するために、波の振る舞いを図示してみるのが効果的です。音源の動きや光の干渉といった問題では、物理量の変化を視覚的に捉えながら考察するのがポイントです。 -
原子
高校物理と量子論の橋渡しとなる分野です。特にエネルギー準位や光子の性質に関する問題では、力学や電磁気学の知識も組み合わせて考える必要があります。あまり出題が多くなく多くの受験生が飛ばしがちです。しかし対策すればとても簡単。一気に得点源になります。
2-2. グラフや図の徹底活用
物理の学習では、状況に応じた図を描き、グラフの特徴を掴むことが重要です。問題文に記載された縦軸・横軸の意味を正確に理解し、傾きや面積が物理現象をどう表しているのかを読み取る力を養いましょう。
3. 目標別の学習戦略
3-1. 旧帝大を目指す方
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当日の戦略
問題を前から順に解き、ミスを避けながらスピーディに進めることが大切です。小問での計算ミスや単位の見落としに注意しながら、正確性を重視しましょう。物理は得点源にしたい科目です。つまらないミスで失点しないようにしましょう。 -
これからの対策
二次試験対策を中心に進めることで、共通テストにも十分対応できます。試験直前には過去問や予想問題を解いて、形式や特有の出題傾向に慣れることを心がけましょう。
3-2. 地方国公立大学を目指す方
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当日の戦略
戦略自体は旧帝大層と同じですが、問題文を読み違えたり序盤で失点したりしないよう、特に問題の状況把握を丁寧に行う必要があります。 -
これからの対策
過去問や参考書を活用し、間違えた問題を重点的に復習しましょう。特に波動や電磁気分野は、公式の暗記だけではなく、背景にある物理的な意味を理解することが重要です。
4. 効率的な学習の進め方
4-1. 公式の意味を理解してください
公式を丸暗記するのではなく、導出過程を理解することで、問題の状況に応じて柔軟に応用できるようになります。例えば、運動方程式や電磁誘導の法則については、その成り立ちをきちんと説明できるレベルを目指しましょう。
公式を忘れても導けるくらいの器量になってください。
4-2. 過去問、予想問題を活用する
共通テスト特有の問題形式に慣れるため、過去問を繰り返し解くことが効果的です。問題演習を通じて、図やグラフの読み取り力や状況把握能力を鍛えましょう。
共通テストはまだ実施が少ないため予想問題の演習も取り入れましょう。
5. まとめ
共通テストの物理では、基礎的な知識と幅広い分野に対する対応力が試されます。特に、問題文中の図やグラフを使って状況を正確に把握する力、物理的なモデルに置き換えて考える柔軟性が重要です。普段の学習では公式の導出や物理現象の理解を重視し、各分野の特性に合わせたアプローチを心がけましょう。また、目標点に応じた戦略を立て、問題演習を通じて実践力を磨くことで、高得点を目指すことが可能です。
(akamon lab) 2024年11月27日 21:00
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