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勉強中に感じる「疲れ」の正体"脳疲労"

勉強に集中できないとき、つい「自分のやり方が悪い」「意思が弱い」と責めてしまいがちですが、実は知らず知らずのうちに“脳疲労”が進行しているケースも少なくありません。無理に時間を伸ばしても効率は下がる一方。まずは「なぜ疲れてしまうのか」「どんな症状が出るのか」を理解し、賢く対策を立てることが大切です。


1.勉強中に感じる「疲れ」の正体

勉強で感じる疲れには、大きく分けて次の3タイプがあります。

  1. 身体的疲れ
    長時間同じ姿勢で座り続けると、血流が滞って肩こりや腰痛を招きます。さらに、ノートや画面を見続けることで目の疲れも生じ、頭痛やめまいに発展することも。

  2. 精神的疲れ
    難しい問題に行き詰まったり、成績が伸び悩むストレスは、脳に大きな負担をかけます。合格へのプレッシャーや日常の人間関係トラブルも、知らずのうちに“心の疲労”を積み重ねる原因に。

  3. 脳そのものの疲労
    脳は体重の2%ほどの質量ながら、全体の約20%ものエネルギーを消費するといわれます。長時間の暗記や思考はエネルギー切れを招き、判断力や記憶力を著しく低下させます。


2.「脳疲労」が引き起こす4つの症状

脳に過度な負担がかかると、次のようなサインが現れます。

  1. 頭がぼーっとする
    思考が散漫になり、テキストを読んでも内容が頭に入らない。肩こりや目の疲れが拍車をかけ、より集中できない状態に陥ります。

  2. 集中力が続かない
    勉強を始めても、スマホや動画に気を取られやすくなる。つい別のことを始めてしまい、学習時間は長くても効果が薄いまま。

  3. 不必要にイライラする
    周囲の雑音や小さな不便がストレスに感じられ、勉強の妨げに。いつも以上に息苦しさや不安感を覚えることも。

  4. 無気力になる
    やる気がわかず、参考書やノートを目の前にしても動けない。いったんサボると、そのまま数時間手がつかなくなる場合も。


3.勉強中の疲れを招く3大要因

なぜ勉強でこんなに疲れてしまうのか。主な原因は以下の3つです。

  • 目の酷使
    ノートや参考書、スマホ・PC……。目を酷使しすぎると、脳への情報入力がうまくいかず、無意識にエネルギーを浪費します。

  • 長時間の座りっぱなし
    同じ姿勢が続くと血流が悪くなり、酸素や栄養が脳に届きにくくなるため、パフォーマンスがダウン。

  • 慢性的なストレス
    テストや合格プレッシャー、家庭や友人関係の悩みなど、多様なストレス要因が自律神経を乱し、疲労感を増幅させます。

――これらが重なると、睡眠不足や栄養不足と相まって脳疲労が深刻化してしまいます。


4.脳疲労を防ぐ!短期集中型の勉強法

長時間ダラダラ続けるより、「短期集中+こまめな休憩」 を意識しましょう。東京大学の研究でも、60分連続学習より「15分×3セット+休憩」が学習効果を高めると報告されています。

  • 25分勉強 → 5分休憩(ポモドーロ・テクニック)

  • 45〜60分ごとに10分程度リフレッシュ

  • 「飽き」を感じたらすぐ別作業へ切り替え

このようにメリハリをつければ、同じ時間の勉強でも疲れにくく、知識の定着率もアップします。
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5.勉強疲れを癒すリフレッシュ術

疲れを感じたら、次のような方法で脳と体をリセットしてみましょう。

  1. 仮眠をとる
    15~20分程度の短い仮眠は脳のリセットに最適。午後3時までを目安にとると夜の睡眠に影響しません。

  2. 軽い散歩(歩行瞑想)
    「歩くこと」に意識を向けるだけで頭がすっきり。周囲の風景や呼吸に集中し、「無心」で歩くのがコツです。

  3. ストレッチ・軽い体操
    肩甲骨まわりや腰回りを伸ばし、血流を促進。デスク前でもできる簡単な体操で疲労物質の排出を助けます。

  4. 糖分を補給する
    チョコレートやバナナなど、手軽にエネルギー補給できるものを少量摂ると、脳の活動を短時間でサポートします。

  5. マインドフルネス呼吸
    目を閉じて呼吸に集中。偏桃体(ストレスを司る部分)の過剰活動を沈め、前頭葉のエネルギー消耗を抑えられます。


6.「飽きる」は脳からのSOS

東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身氏は、「飽きる」という感情を、脳が特定の領域を使いすぎているサインと捉えています。

  1. 第1段階 ── 飽きる
    「別のことをしたい」と思ったら、集中時間の上限が近い証拠。

  2. 第2段階 ── 眠くなる
    脳が「いったん休ませて」と強制終了を試みる段階。ここを無視して続けても効率は下がる一方。

  3. 第3段階 ── パフォーマンス低下
    ミスや理解力の低下、頭痛・めまい、さらには自律神経失調症状など、深刻な脳疲労サインが出ることも。

「飽きた」と感じたらすぐ行動を変え、「眠くなる」前にリフレッシュするのが賢い戦略です。


7.まとめ:脳疲労を味方につける勉強法

  • 疲れの原因 を正しく理解し、身体・精神・脳のバランスを整える

  • 短期集中+こまめな休憩 で集中力を維持

  • リフレッシュ術 を事前に準備し、疲れをため込まない

  • 「飽きた」はサイン と受け取り、行動を切り替える

脳は使いすぎると、学習効率を自ら低下させようとします。勉強法を見直して、脳疲労を防ぎながら、最短距離で知識を身につけていきましょう。集中できる時間帯や休憩パターンは人それぞれ。ぜひいくつか試して、自分にぴったりのリズムを見つけてくださいね。


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