早稲田大学先進理工学部を受験する方に向けて、特に注目していただきたいのが「第二志望学科」制度です。この制度は他の大学ではあまり見られない特殊な仕組みで、入試戦略に大きな影響を与えます。この記事では、早稲田大学の理工系学部全体の概要から、この制度の詳細、さらに効果的な活用方法までを解説します。
早稲田大学には以下の3つの理工学部があります。
今回の焦点となる先進理工学部には以下の6学科があります。
これらの学科はそれぞれ異なる特性を持ち、選択する理科の科目や配点ルールが学科ごとに設定されています。
基幹理工学部、創造理工学部においては第二志望学科制度はなくこれらの学部間での併願も不可能です。
早稲田大学先進理工学部では、第一志望学科に加えて第二志望学科を出願することが可能です。この制度により、第一志望で不合格または補欠となった場合でも、第二志望の学科で合格最低点を上回っていれば合格となる可能性があります。
しかし、この制度を利用するには注意点がいくつかあります。たとえば、第一志望と第二志望の両方で受験可能な理科科目の組み合わせを選んでいる必要があります。
このように、理科の選択によって志望学科の選択肢が変わるため、計画的な準備が求められます。
生物選択の有無によって選択できる学科が異なります。
第二志望制度を活用するためには、第一志望よりも第二志望の学科の合格最低点が低いことが重要です。
たとえば、以下のような選び方はおすすめできません。
この場合、第一志望で不合格となった場合でも、第二志望に合格する可能性は非常に低くなります。
しかし生物選択をしている場合はこの二学部しか併願できないため電気・情報生命工学科が第一志望の人にとってはかえって迷惑な制度です。
先のように第一志望より第二志望が最低点の高いところに出願してもあまり意味がありません。
先進理工学部各学科のおおよその合格最低点です。年度によって替わったり隔年現象が起きたりするので参考程度にとどめてください
ランク | 学科名 | 合格平均最低割合 |
---|---|---|
1位 | 物理学科 | 58% |
2位 | 生命医科学科 | 55% |
3位 | 応用化学科 | 54% |
4位 | 化学・生命化学科 | 53% |
5位 | 応用物理学科 | 53% |
6位 | 電気・情報生命工学科 | 51% |
これを基に、第一志望と第二志望を戦略的に選ぶことが重要です。物理学科、第二志望を電気・情報生命工学科では最低点が20点くらい違うためこの二つの学科を併願するのはメリットがあると言えます。
特に物理学科と応用物理学科で学べることは似ているため人気の併願先となるでしょう。この表に出ているパーセンテージはあくまで目安ですので参考程度にしてください。
先進理工学部では、一部の学科で理科の得点に重み付けが行われます。
学科名 | 配点割合 |
---|---|
物理学科、応用物理学科 | 物理:化学=2:1 |
化学・生命化学科 | 化学:物理=2:1 |
応用化学科 | 化学:物理または生物=2:1 |
得意な科目を重視して選択することで、より高得点を狙うことが可能です。
本当は物理が得意だけど化学系に行きたいなどの場合配点傾斜を利用して併願することで早稲田の合格を掴み取ることが可能になったりします。
「第一志望以外には進学するつもりがない」と考える方でも、第二志望学科を記入しておくことをおすすめします。
第二志望制度を有効に活用するためには、受験戦略を立てる段階で以下を意識しましょう。
先進理工学部は基幹理工学部や創造理工学部よりも偏差値が高く、合格が難しいとされています。そのため、しっかりとした戦略を持つことで合格の可能性を広げることができます。
※しかし合格後に第二志望に行きたいから第一志望を蹴るということはできません。第二志望に受かっていくつもりでも第一志望が繰り上げ合格になってしまうと第二志望の合格は取り消されます。制度を利用するうえでは重要な作戦ですがどうしてもいきたい学部が決まっている場合は自分の行きたい学科を優先しましょう。
早稲田大学先進理工学部の「第二志望学科」制度は、受験生にとって大きなチャンスです。この制度を活用するためには、第一志望と第二志望の選択を慎重に行い、理科科目や配点のルールを十分に理解することが必要です。
理想的な第一志望に合格するのが最善ですが、第二志望も視野に入れることで、より多くの可能性を手にすることができます。早稲田大学での学びを目指して、ぜひ計画的な受験準備を進めてください!