共通テスト数学は、限られた時間内で解答を完成させるために、計画的な時間配分と効率的な学習が求められる試験です。本稿では、数学I・Aおよび数学II・B・Cにおける効果的な時間配分方法と、新課程への対応ポイントを中心に説明します。
数学I・Aの試験時間は70分で、大問1~大問5から構成されています。大問1と大問2はそれぞれ30点と配点が高く、特に重要視すべき部分です。残りの大問は2問を選択して解答する形式となっています。
得意・不得意分野の把握
得意分野を優先的に解き、短時間で確実に得点を稼ぐ戦略が有効です。苦手な分野は後回しにし、難問に固執しないことが重要です。
選択問題の事前対策
新課程では「整数の性質」の出題がなくなり、選択肢が少なくなっています。「場合の数と確率」や「図形の性質」全般に対してバランスよく演習を積みましょう。
見直し時間の確保
最後10分程度を見直し時間として確保することで、ケアレスミスを防ぐ余裕が生まれます。
2025年度の試験より、数学II・B・Cの試験時間は70分に統一されます。出題形式は必答問題3問(大問1~3)と、選択問題4問(大問4~7)のうち3問を選んで解答する構成です。
計算スピードの向上
微分・積分や三角関数では計算量が多いため、典型問題を繰り返し解き、計算スピードを上げることが得点アップに直結します。
選択問題の戦略
選択問題では年度ごとの出題傾向を分析し、得意分野を優先するのが鉄則です。特に、統計的な推測や複素数平面など、新課程で追加された内容は重点的に学習する必要があります。
条件設定に注意
新課程では実生活に関連した問題が増えるため、設問文から解答に必要な情報を迅速に読み取る読解力を鍛えましょう。
2025年度より導入される新課程では、数学I・Aおよび数学II・B・Cともに試験内容が大幅に変更されます。以下は主な変更点と対策のポイントです。
選択問題の廃止
「場合の数と確率」および「図形の性質」が全問必答となります。苦手分野を克服し、全範囲で安定した得点力を身につけましょう。
仮説検定の追加
「データの分析」に仮説検定の概念が含まれます。「帰無仮説」「有意水準」など、新たな用語を正確に理解することが鍵となります。
期待値の追加
期待値は新課程で数学Aに移行されます。過去の数学Bの範囲に触れる形で学習を進めることが効果的です。
数学Cの復活
「ベクトル」や「複素数平面」が新たに出題されます。特に複素数の回転移動や楕円などの性質については、図形的な理解が求められます。
統計的な推測の強化
仮説検定や正規分布に関連した問題が中心となるため、基本用語や考え方を徹底的に理解しておきましょう。
試験時間の変更
数学II・B・Cの試験時間は70分に延長されますが、設問数も増加するため、過去問演習でスピード感を身につけることが重要です。
共通テスト数学の時間配分を成功させるために、次の3点を常に意識してください。
配点や問題の難易度に基づき、自分の得意な部分を優先的に解くことで、全体の得点率を高めます。
たとえば各大問の最後の問題は難易度が高い傾向があります。無理に解こうとせず、適切なタイミングで次の問題に進む決断力を持ちましょう。
頑張ってもできないところに時間をかけても無駄です。それよりも解けるところは確実に解いて得点してください。
新課程では条件設定が複雑な問題が増えるため、問題文を的確に理解し、必要な情報を素早く把握する力が不可欠です。
共通テスト数学の時間配分は、過去問演習や模擬試験を通じて自分に最適なスタイルを見つけることが成功への鍵です。特に新課程への移行に伴う変更点を意識した学習を進め、着実に得点力を向上させましょう。