受験期はお子さまにとって人生の大きな節目であり、保護者の方々にとっても支えが試される時期です。お子さまが目標に向かって努力する姿を見守りつつ、適切なサポートを行うためには、保護者自身が冷静であることが重要です。しかし、実際の家庭ではピリピリした雰囲気が生まれることも少なくありません。
今回は、受験を控えた保護者の方々に向けて、日々の接し方や支援方法について具体的なヒントをお伝えします。
受験生が一心不乱に勉強に励み、保護者はそれを静かに見守る。これが理想的な姿ですが、実際には以下のような言い争いが家庭内で発生しがちです。
これらのやり取りは、親子双方がストレスを抱えている証拠です。お子さまは将来への不安やプレッシャーを感じながらも、どこかで「親は自分を責めている」と感じてしまうことがあります。一方で保護者も、愛情ゆえに注意をしたい気持ちと、口を出すことで関係が悪化する不安の間で葛藤しています。
多くの受験生が口にする「次はがんばる」という言葉。実は、このフレーズには保護者が期待するほどの信憑性がない場合が多いのです。
例えば、模試の結果を振り返る場面で、「次はしっかりやる」と宣言する子どもたちは少なくありません。しかし、実際に行動を変えられる子は限られています。多くの場合、この「がんばる」は次のような背景で使われます。
その場を切り抜けるための言葉
保護者や先生とのやり取りを早く終わらせるために、便利なフレーズとして使われがちです。
一時的な気分の高揚
本当にやる気を感じている瞬間でも、長期間持続することは難しいものです。
こうした状況で、保護者が「がんばると言ったじゃない!」と問い詰めても、子どもを追い詰めるだけになってしまいます。
とりあえずその場逃れのために言っている場合が多く本心ではありません。本当に頑張ろうと思った時はわざわざ親に宣言などしないものです。
やる気とは、「自分が成長している」という実感から生まれるものです。そのため、保護者はお子さまの成長を見つけ、それを具体的に伝えることが大切です。
「最近、偏差値が上がったよね。すごいね!」など、具体的な事実を伝えることで、お子さまに「自分はできている」という自信を持たせることができます。この自信が、さらなるやる気を引き出します。
多くの子どもは反抗期を迎え、大人からの干渉を拒むようになります。この時期は精神的な自立の第一歩ですが、保護者が悪気なく投げかけた言葉が、子どものやる気を失わせることがあります。
こうした言葉は、先ほど同様子どもに「干渉されている」と感じさせる原因になります。
大学受験はスケジュールの管理と費用の確保が重要です。保護者がこれらをしっかりと把握しておくことで、子どもの不安を軽減できます。
お子さまが勉強しない状態が続く場合、それを完全に放置することは避けましょう。「放置」は愛情の欠如として受け取られる可能性があります。
お子さまが反抗的な場合、「第三者の意見」として伝えるのも一つの手です。
直接的に指摘するよりも、子どもが素直に受け止めやすくなります。
受験期は子どもにとっても、保護者にとっても大きな挑戦の時です。親子の間で摩擦が生じるのは自然なことですが、冷静に状況を把握し、成長を支える視点を持つことが重要です。子どもの努力を認めつつ、愛情を持って接することで、親子で乗り越えられる受験となるでしょう。